Kiev 3a
レンジファインダーのキエフ、つまりコンタックスコピーのキエフだが、これは良いカメラだ。しかし良いカメラだからといって2台も買う必要はどこにも無い。
すでにキリル文字のロゴがあるKiev 2を持っているにもかかわらず、おまけにこれで充分満足しているにもかかわらず、カメラは増えるのである。
例によって某ネットオークションで何気なく入札しておいたらいつの間にか落札と相成ったのだが、なんだか最近妙に安値で落札となり、不安さえ覚えることがある。
しかし到着したカメラは綺麗でシャッターも快調。ファインダーもそこそこだった。メーターも狂っているが動いている(「動いている」というのが重要なポイント)。
そういえば専用のスプールが付いているのが入札の動機であった。それまでスプールをコンタフレックスと共用していたのである。
メーターを使うときはこのノブの一番下を反時計回りにいっぱい捻ってからメーターの指針をダイヤモンドのマークに合わせる、のだそうだ。セレンメーターはCdSなどより長持ちするらしいから、動いていればメーターの狂いは調整可能かもしれない。

キエフはサクサク分解でき、組立てるときも部品相互の歩止まりがよい。ツァイスの基本設計が優れているのだろう。弱点とされるシャッターリボンだが、これはシャッター自体がダメージを受けないようにわざと強度の弱い素材を使っているのではないだろうか。最近ではこのリボンもネットで入手できる。
製造番号によると1955年製。50年前のカメラが問題なく使え、しかも驚くべきことにEOS Kissより高速のシャッターを搭載しているのである。
そういえばこのシャッター、高速を実現するためにスリットの幅で露光を調整するだけでなく、走行スピードも変化させる構造だと思うのだが(違うかな?)、よくもまあこんなに複雑なシャッターを設計したものだ。しかも合理的にできている。こういうカメラが数千円で手に入れることができるのは、喜ばしいことではあるが...

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